日本の医療制度について [医療問題]
◇日本の医療制度について
前回はアメリカがいかに医療にお金を使っているか、保険制度が複雑かという記事を書きました。今回は日本の医療制度についてです。個人的な考えを書いています。少し長くなりますがご容赦ください。
1.医療費増は財政破綻につながるのか?
日本は高齢化により医療費が増加しています。財務省をはじめ政府は「高齢化すると社会保障費が高騰し財政破綻する」と国民を脅し、医療費削減を進めています。しかし、私は医療費はもっと高くて然るべきだと思っています。
いかに日本の医療費が抑制されているか、以下の図をご覧ください。当然ながら、高齢化すると医療サービスの需要が増えるので医療費/GDPは増加します。日本も然りですが、明らかに他国と比べて増加が緩やかであることが分かります。
また、次の図をご覧ください。医療費が増加すると財政破綻するんですよね?医療費/GDPが17%のアメリカは財政破たんしていますか?ドイツ・フランス・カナダといった、日本よりも医療費割合が高い国は他にも多数存在します。財政破綻していますか?
医療が財政を破たんさせるという説は「医療費亡国論」といいますが、明らかなロジックの誤りで、事の本質は自己負担額+保険料収入よりも給付が多すぎるので、税金で補てんしているということが問題なのです。決して医療費が高いから財政が危ないわけではありません。
2.日本の医療費は高いのか安いのか?
仮に日本の医療が高額であれば、病院がしこたま儲けているか、医療従事者の人件費が高いか、医療従事者の数が多すぎるかのどれかになります。
病院の収益を見ておきましょう。病院の利益率は約1.8%です。日本のほとんどの業種を下回っています。100均のセリアですら8%です。いかに薄利で営業しているか分かります。日本の病院の約3/4は赤字です。
では日本における医療従事者の年収はどうでしょうか?下図は医師の収入の国際比較になります。国際的に見ると高収入とは言えません。
看護師はどうでしょうか?看護師も国際的にみると年収が多いとは言えませんね。
薬剤師の年収もアメリカでは1000万円くらいが普通だそうです。日本よりもかなり多いですね。
日本の平均年収が420万円、アメリカの平均年収が$41,500とほぼ同等であることを考えると、医療従事者の給与がいかに安いか分かります。
では医療従事者数はどうでしょうか?人口当たりの医師の数は多いほうではありません。看護師数は平均よりは多いですが、日本は病床数が異常に多いので、一病床あたりの看護師数はかなり少ないです。
以上をまとめると、日本の医療が世界的に見て高いということは決してありません。人件費をみるとむしろ安いです。
3.なぜ医療費を税金で補てんしているのか?
日本の社会保障制度は賦課方式がとられています。現役世代が高齢者世代に仕送りする方式です。高齢化社会では、高齢者世代の比率が高くなるため、現役世代が高齢者へ仕送りする額が増えます。つまりは健康保険料が高くなるのです。健康保険料率はこの20年で約2%あがっています。(年収400万円なら8万円の負担増。)しかし、これでも足りないため税金から拠出されています。自己負担額+保険料収入よりも給付が多すぎるので、税金で補てんしているのです。
4.医療費を税金で補てんすると日本の財政状態はどうなるのか?
国の財政に余力があれば医療費への税金投入は問題ないですよね。政府は、医療費を税金で補てんしようにも、国の借金が1000兆円ありこれ以上財源がないと言っています。
まずは「国の借金」とやらが何を意味するのか考える必要があります。政府の言う「国の借金」とは国債発行残高のことです。国債は誰かが買ってくれるから発行することができます。誰が買っているのでしょうか?日本銀行は資金循環統計という報告書を定期的に発表しています。国の中でお金がどこにどれだけ存在しているのかというレポートです。
下図を見てください。左端の一般政府の証券が主に国債です。国債は誰が購入しているのかというのが点線をたどれば分かります。日銀を除けば、国内の銀行や保険会社、また家計が購入していることがわかります。財務省のデータでは、40%が日銀、23%が銀行、21%が生保、9%が年金、1.3%が個人で、海外は5.5%です。さらに、銀行と保険会社を見てください。その購入資金は家計が拠出した預金や保険金です。すなわち、「国の借金」とは「家計の資産」であることがわかります。(まかり間違っても「日本人一人当たり1000万円の借金」ではありません。)
別の見方をすれば、国の赤字=民間の黒字なのです。これを証明する面白いデータがあります。年度別の赤字黒字をあらわす基礎的財政収支(いわゆるプライマリーバランス)です。バブルが崩壊した1990年頃、サブプライム問題が表面化する2007年頃は企業や金融機関が大きな赤字を出しています。対称的に、政府の収支は改善しています。誰かの支出=誰かの所得、誰かの赤字=誰かの黒字ということです。⇒経済評論家山本博一様のブログ
要するに、日本人が資産を貯めこんでしまったために、政府は財政赤字になったのです。しかし慌てる必要はありません。政府には「徴税権」があります。その気になれば「資産課税」をすればいいのです。医療に税金をつぎ込んでも財政破たんすることはありません。
5.何が問題か?
さて、資金循環統計からもわかるように、日本人は1800兆円もの巨額の資産を有しています。しかもその半分は現預金です。誰がお金をもっているのでしょうか?約60%を60代以上の高齢者が保有しています。逆に若い世代はほとんど資産がありません。池田信夫氏も指摘するように、日本の社会保障制度は、豊かな老人が貧しい孫から仕送りを受けているシステムとなっているのです。世代間格差の一つの要因となっています。
高齢化により現役世代の保険料は益々高騰していますが、医療の需要増に対応しきれていません。反面、受益者たる高齢者は資産を有しているにもかかわらず保険料は格安で据え置かれ、自己負担額も低いままです。(保険料や自己負担額は資産ではなく収入で決まるため。)医療を受ける人がサービスに見合った対価を支払っていないので税金で補てんしているのです。医療費の問題とは財政問題ではなく、制度問題なのです。
6.医療費を上げて、高齢者の自己負担を増やし、資金が循環する世の中にしよう。
「お金は経済の血液」といいます。人がモノやサービスを購入することにより雇用が生まれ、税収が増えます。お金が必要なところ(資金需要のあるところ)に流れることにより新たなイノベーションが生まれ、経済を成長させるのです。
アメリカでは多くの人が積極的に募金をします。私のラボにも毎週のように出資者や出資希望者が訪れ、見学していきます。ベンチャー企業への資金元も豊富にあると聞きます。資金需要のあるところにお金が流れるシステムが出来上がっており、そこがアメリカの強さなのだと思います。
反面、日本はどうでしょう。出資者がリスクを嫌うあまりベンチャー企業が育たないとは昔から言われています。個人レベルでもリスクを恐れるあまり、蓄えすぎにはなっていませんか?経済学的に、高齢者は個人消費が落ちるので、ここにお金があっても経済が活性化しないのです。
個人消費の落ちた高齢者が現役世代よりもお金を使うのは、何といっても「医療」です。私が高齢者の医療費を上げようといっているのにはここに理由があります。
①医療は必要経費に占める人件費の割合が50%以上です。これはかなりの割合で、これに匹敵するのは床屋かキャバクラです。(ちなみに、全業界の平均比率は13%です。)医療支出のほとんどが労働者に還元されるのです。
②医療分野は労働者の年齢や性別、障害の有無など関係なく仕事があります。新卒の若者から高齢者まで、幅広い人材が働くことができます。女性が多い職場でもあり、子育てをしながらでも働ける環境が整っています。
③医療業界にはカルロスゴーンや孫正義のように、一人で年間何十億もの収入を得る人はいません。支出のほとんどが一般労働者の収入に直結します。格差を生みません。
高齢者の医療費を上げることにより、高齢者に偏った資産を現役世代へ還流し、雇用を創出することができます。
7.政策はどうだったか?
政府は高齢化社会に対応するために医療・介護職員等の増員を図っています。下図は国勢調査の結果ですが、平成7年と比較して平成22年は労働人口に占める医療従事者の割合は約2倍になり、医療従事者の総数も約360万人から約610万人と約250万人増加しています。
それと比較して医療費はどうでしょうか。労働者が倍になったのなら医療費は倍近くに上がっていないと労働者に分配される給与が少なくなります。しかしながら、平成7年と比較して、平成22年は約39%しか増加していません。
就労者が15年で2倍近くになったのに、医療費が39%しか増加しなかったということは、この15年の間に医療業界の新規雇用者の多くは低賃金で雇われたということです。
高齢化により医療業界はますます忙しい時代を迎えているのにも関わらず、また国は医療介護を成長産業と位置付けているにもかかわらず、賃金が減っているのです。
これが国が現在すすめている医療費抑制政策の結果です。
8.まとめ
高齢化社会を迎え、日本人の多くは医療業界で働くようになりました。15年で250万人の人が新規に医療業界で雇用されました。しかし雇用に見合った投資を政府は怠ってきました。結果、介護士は収入が少なく、なり手がいなくなりました。
誰かの支出は誰かの所得なのです。アベノミクスは所得を増やす政策であるはずなのに、労働人口の約10%を占める医療業界では、今の政策が続く限り所得が増える見込みはありません。
政府の嘘に騙されていませんか?
①医療費が増えても財政破綻しません。医療費で財政破綻するのならすでに多くの国が財政破綻しています。
②医療費の増加は医療業界の雇用増と医療従事者の所得増につながります。無駄にはなりません。
③医療費の抑制とはすなわち、医療従事者に給料を払いませんということです。
④医療費の問題は財政の問題ではなく制度の問題です。税金で補てんしなくてもいいように、保険料と自己負担金を調整すればよいのです。
⑤国の借金とは国民の資産です。資産のほとんどは高齢者が所有しています。この資産を動かせば、雇用が生まれ、収入が上がり、税収が増えます。高齢者にはもっと医療でお金を使ってもらえばいいのです。
特に医療関係者の方は、「財政危機、医療費の削減」と言っている政治家がいれば、「賃金を減らす気か!」と声を上げねばなりません。
長文にも関わらず最後までお読みくださりありがとうございました。
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アメリカの健康保険料 [留学記]
◇アメリカの健康保険料
今回は、アメリカの健康保険料についてです。
留学など海外の長期滞在において、もっとも懸念すべき臨時支出は医療費です。日本の医療制度は医療費が圧倒的に安く、フリーアクセス制など医療サービスも便利な設計がされています。日本の感覚でいると、諸外国、特にアメリカでは、医療は保険会社に連絡してからでないと受診に制限があったり、医療費が高額にであったり、驚くことになります。
アメリカは医療先進国ですが、アメリカのGDPのうち17%ほどを医療費が占めていることでもわかるように、アメリカの医療は基本的に高く、加入している健康保険の内容によって、保険が効く診療と効かない診療があったりします。(日本の医療費/GDPは約11%。世界で最も高齢化が進んでいるのに医療費が抑えられている(抑制されすぎている)。)
私の場合は職場が提供する保険(月額)に無料で入れてもらっていますが、保険でカバーされる疾患範囲が広かったり、自己負担の上限金額が安い保険(いい保険)は有料になります。逆に、保険金額が安い代わりに給付が制限されているプランもあります。このプランを選ぶとHealthcare savings account (HSA)という口座が開設され、企業によってはこの口座に現金が支給されることがあります。企業としては、安い保険を選んでくれた代わりに、それで浮いたお金を還元してくれるというわけです。また、(私の加入している保険会社のプランでは)喫煙者は月額$250を追加で支払わなくてはなりません。リスクある人には保険料を高くするという仕組みです。
多くのアメリカ在住者は、単身なら月々$500、家族なら人数にもよるが$1,500くらい健康保険に支払っていることが多いようです。私の場合がそうであるように、企業によっては健康保険料を負担してくれるところも多いようです。
日本とアメリカの健康保険料を比べてみました。
日本 | アメリカ | |
単身
(年収400万円)
|
国民健康保険の場合
平均3万円
|
平均$500
(プランの内容次第、所得関係なし)
|
家族
(扶養家族3人、
年収400万円)
|
国民健康保険の場合
平均3万5千円
|
平均$1,500
(プランの内容次第、所得関係なし)
|
高齢者夫妻
(年金収入250万円)
|
国民健康保険
約1万円
|
メディケア
$268~
(プラン次第)
|
日本の健康保険料も大概高いですが、アメリカはそれ以上です。日本の場合は収入に応じて保険料が上がりますが、アメリカでは公的保険を除き、収入によらず保険料は一律です。私の留学先でも、役職関係なく保険料はいくらですと書いてあります。金持ち優遇?むしろ平等?
私の健康保険の補償内容です。提携医療機関の場合を列挙します。用語の説明はこちら
家庭医co-pay: $30
専門医co-pay: $50
予防医療co-pay: $0
Deductible: 個人$350/家族$875
Out-of-pocket limit: 個人$1,500/家族$3,000
Co-insurance: 5%
Co-pay:窓口料金 Deductible:年間自己負担額(免責額) Out-of-pocket limit:最大自己負担額 Co-insurance: 自己負担割合
私の保険はDeductible、Co-insuranceやOut-of-pocket limitが低く、皆からは良い保険と言われていますが、パンフレットの最後のほうに気になる記述が・・・
2型糖尿病の場合、ほとんどカバーしてくれないようです。困ったことに、どんな疾患がどんな補償内容になるのかはどこにも記載されていません。しかも、他の会社で同じプランを採用しているところのパンフレットを見ると、2型糖尿病でも十分カバーしてくれる内容になっているところもあります。(ただ、そういうところはDeductibleとOut-of-pocket limitが私のプランより高くなっています。)
会社ごとに、どの補償内容を強化して、どの補償を削るかということを保険会社と協議して補償内容を決定しているものと思われます。
複雑怪奇です。
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アメリカあるある 買い物編 [留学記]
◇アメリカあるある 買い物編
1.単位の違い
アメリカは長さや重さの単位にImperial Unitsを公的に採用している数少ない国の一つです。日本を含む多くの国はMetric systemを用いています。あるニュージーランド人の友人がアメリカに行ったときに単位が全く分からず苦労したと言っていました。
具体的には、長さはinch (インチ)、feet(フィート)、mile(マイル)など、重さはounce(オンス(発音はアウンス))、pound(ポンド(発音はパウンド))などです。
温度表示も違います。日本をはじめ多くの国では摂氏℃が使用されていますが、アメリカでは華氏℉です。
私の換算方法をご紹介します。
1 inch ≒ 2.5cm 親指の先から第一関節まで。
1 feet ≒ 30cm なんとなく覚えやすいです。
1 mile ≒ 1.6km 車を運転する人は注意です。50マイルを超えるとかなり早いです。
1 oz ≒ 28g 私は30gと計算しています。ちなみにozはounceの略です。
1 lbs ≒ 453g 私はざっくり500gで計算しています。ちなみにlbsはpoundの略です。
次は温度の換算ですが、0℃=32℉、1℃の上昇(低下)=1.8℉の上昇(低下)となります。ざっくりと
30℉≒0℃、50℉=10℃、70℉≒20℃
で換算しています。30℉を下回るとめちゃ寒い、50℉くらいだと結構寒い、70℉を超えてくると半袖OKという感じです。
あと容積の単位も違います。1 gallon≒4Lです。
2.値札が間違えていることが多い
セールなどで値段が下がっているのに値札が更新されていないことが良くあります。値札より実際の価格のほうが下だったことのほうが多いので、今のところ得をしています。
3.商品棚の商品は、値札の商品と同一でないことがある。
これはアメリカの購買者の問題ですが、一度手に取って持ち歩いた後、購入をやめる時に、所かまわずその商品を放置していきます。同一商品の中に放置されている場合は明らかに違う商品だとわかりますが、空いた商品棚に商品が放置された場合、値札が正しいのか判断に困る場合があります。また別の事例ですが、店側が商品の配置と値札の配置を間違っている場合があります(ピザや飲料の陳列など)。商品の名称やバーコード番号などを見て、値札と合致した商品かどうか確認する必要があります。
4.封がされてない商品が多い。
アメリカでは実物を確認して購入する人が多いためか、衛生用品や食料品などを除き、封がされていないことが多くあります。店側も黙認しています。メリットとしては、例えばスマホのカバーを買うときに実際に試すことができます。デメリットとしては、時々、内容物が紛失していることがあります。先日、4個入りLED電球を買ったのですが、3個しか入っていませんでした。封がされていない商品は、必ず内容物がそろっていることを確認してから購入するようにしてください。
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アメリカ自然史博物館 [留学記]
◇アメリカ自然史博物館
ティラノサウルスの化石と映画ナイトミュージアムで有名なアメリカ自然史博物館 (American Museum of Natural History: AMNH)に行ってきました。
AMNHはセントラルパークの西側にあります。
正面玄関です。
玄関に飾られた有名なティラノサウルスとウルトラサウルスの化石です。
でもすごい列ができていました。
じつはAMNHには北側にももう一つ入口があります。
ここは宇宙関連の展示館と繋がっている入口ですが、内部で全館と繋がっています。こちらから入るのをお勧めします。
内部は非常に広くなっています。展示も地学関連(宇宙・恒星・惑星の成り立ち、隕石・鉱石)、生物学関連(生物系統樹、人間の祖先、言語)、考古学関連(カンブリア紀から恐竜のいたジュラ紀白亜紀、哺乳類の進化)、民俗学など幅広く展示されています。
なんといっても恐竜などの古代生物の化石関連のコレクションは抜群です。
最後のスーパーサウルスは部屋に収まり切れていません。
息子が来たら真っ先に連れて行ってあげたい施設です。
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タグ:ニューヨーク アメリカ自然史博物館
ニューヨークラーメン紀行4 [ラーメン]
◇ニューヨークラーメン紀行4 一蘭
全国的に有名な豚骨ラーメンのチェーン店である一蘭がNYに出店したので行ってきました。
一蘭はブルックリンにあります。
普通はマンハッタンに出店すると思うのですが、結構辺鄙なところにあります。その理由は行くとわかりました。
地下鉄のL線に乗り、Morgan Av駅で降ります。
次の角を右に曲がると一蘭を発見しました。
やけに横長い店舗だと思ったら、右隣は工場になっていました。
辺鄙なところに出店した理由は、おそらく味へののこだわりでしょう。香港はまだ空輸すれば鮮度を保てるのかもしれませんが、NYは非常の遠いのでここで作らないと味が担保できなかったのでしょう。ここを足場に全米進出を企てているのもあるのかもしれません。
日本でおなじみの味集中カウンターと、ICHIRAN Yataiというテーブル席が用意されています。
一蘭の日本の店舗では食券購入タイプの店舗が多いですが、ここではカウンター上のシートにオーダーを記載して店員さんに渡します。
メニューを見てびっくりです。ラーメン一杯が$18.9もします。替玉が$3.9。ブルックリンですよ!ここ!工場まで作ってしまったので、この値段設定にしないと元がとれないのでしょう。
実際にラーメンを頂きます。
味は一蘭そのものでおいしかったです。替玉もいただきます。注文は日本と同じく割りばし入れに記入します。
いつも思うのですが、一蘭の麺はもう少しかん水臭さをとったほうがいいと思います。折角、豚骨スープ臭さがない上品なスープに仕上げているのだから、替玉から立ち上るかん水の匂いは良くないと思います。
お会計は店員さんボタンを押して Check, pleaseです。
ラーメン一杯、替玉一つで$25近くかかりました。さすがにチップは含まれていませんでした。
店舗数を拡大した際には是非とも価格を下げていただけますようお願いします。
総評:味★★☆ 価格★☆☆ 雰囲気・サービス★★☆
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日米の違い 2 [留学記]
◇日米の違い 2 (医学生の進路決定)
まずは日本の医学生が医師になるまでのステップを確認しておきます。高校卒業後医学部に進学した日本の医学生は6年次にマッチングというものを受けます。これは医学生の行きたい病院と、研修医を受け入れたい病院がお互いに希望を出し合い、医師臨床研修マッチング協議会が研修医の配属先を決定するというものです。各病院はマッチング前にテストと面接を行い、希望者の順位付けを行います。卒業前に医師国家試験を受験し、合格すれば医師免許が交付され、卒業後は初期研修医として2年間の内科外科等の研修を行い、その後各専門科に進みます。
アメリカでは、ハイスクール卒業後、4年生のカレッジに進学します。その後医師を志す人はメディカルスクールに進学します。メディカルスクールは4年です。アメリカにもマッチングシステムが存在します。4年次に行きたい病院の診療科に対して願書を出します。アメリカでは日本のような、一斉に進路が決まるというシステムは存在しません。応募期間は比較的長く、診療科の担当者は願書の中から候補者を選び、面接をして内定をもらうようです。人気病院の人気診療科は何百という願書を処理しないといけないようです。
さて、アメリカでは何科が人気なのでしょうか。下図を見てください。
点が右にあるほど医学生が希望する科に進めたこと、左にあるほど希望が叶えられなかったことを意味します。
一番競争率が高いのはPlastic surgery(形成外科)、次にOtolaryngology(耳鼻咽喉科)、そのあとDermatology(皮膚科)、Orthopedics surgery(整形外科)、Neurological surgery(脳神経外科)と続きます。Ophthalmology(眼科)がなぜないのかは気になりますが、眼科も人気診療科だったはずです。赤い点はアメリカ国内のメディカルスクールに在籍する医学生のマッチ率、青い点は海外の医学部に在籍する医学生のマッチ率です。海外の医学部にいるアメリカ人と、アメリカでの研修を希望する外国人が含まれます。アメリカのメディカルスクールの学費が高すぎるので、相当数のアメリカ人が海外の医学部で学んでいるそうです。
日本では初期研修を修了すると、自分の意志で何科を専攻するか決めることができます。しかしアメリカでは専攻を決めてからマッチングを行うので、○○科医になりたいのになれないということが起こります。形成外科医には希望者の70%程度しかなれません。
このように、競争率の高い診療科に進もうと思うと必然的に必要になってくるのがコネです。下図はコロンビア大学整形外科のレジデント募集要項よりの抜粋ですが、当然のように推薦状と書いてあります。
学業成績は自己努力で何とでもなりますが、推薦状だけはどうにもなりません。またResearch and publicationも研究室に所属しないとどうにもなりません。
ここで起こるのが医学生による研究とそれを通じた推薦状の取得です。
知り合いの研究者は運動器系のラボで研究しているのですが、非常に多くの医学生が研究に来ていて、しかも皆驚くほどモチベーションが高いそうです。さもありなん。人気診療科である整形外科医には75%しかなれません。皮膚科のラボでも、同じようなことがおこっているようです。→こちら
またこんな話も聞きました。高名な医師は女子医学生と一晩を共にすることも多いのだとか。
アメリカの医学生は大変だと思います。ようやく希望する診療科に入れても、多くのレジデンシープログラムは5年です。その後フェローになりますが、それでもまだ見習いのようなものです。アメリカで医師として満足に稼げるようになるにはかなり時間がかかるようです。
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日米の違い 1 [留学記]
◇日米の違い1(高等教育)
研究室にもだいぶ慣れてきたので、ラボの様子や制度について、日本との違いを少しずつ書いていこうかと思います。
今回はアメリカの高等教育制度についてです。
日本の場合(あるいは韓国やヨーロッパもそのようですが)、医学部は大学入試に合格すれば、規定の単位を取得することによりM.D.の学位がもらえます。歯学部もそうです。
アメリカの場合は、多くの専門学部が大学院大学として独立しています。日本の法科大学院のような制度になっていて、大学院を出ないと学位をとれないし、専門職に就くことはできません。
多くの大学は春に卒業し、秋に大学院入学となります。この間にメディカルスクールの場合、MCATと呼ばれる共通試験を受験し、願書を出し、面接を受けて入学許可をもらいます。しかし、メディカルスクールに限らず、アメリカの専門大学院ではテストの点数よりは、小論文と履歴書、推薦状の内容の方が重要視されるらしいです。そのため多くの学生が、一年程度のブランクを空けてこの間にボランティア活動などをします。ギャップイヤーと言います。ボランティアといえば聞こえばよいですが、実際は履歴書磨きと有力者からの推薦状取得と小論のネタ探しです。
私のラボにも多くの学生がギャップイヤーを利用して短期バイトあるいはボランティアをしています。彼/彼女らの希望進路はメディカルスクール、デンタルスクール、薬学スクール、PhDスクールなど様々です。ある人はメディカルスクールを目指しているのですが、推薦状が3通必要だと言っていました。
最近は日本でも大学生に対してボランティア活動等を積極的に薦めていますが、活動実態を客観的に評価する方法がなく、学生が人生の大切な時間を無駄にする恐れがあるのではないかと危惧しています。アメリカは推薦状等でその活動を評価するシステムができているため、学生側にも時間を割くメリットがあると感じています。
(うちのラボでは)ボランティアといっても、我々研究者とほぼ同等の仕事をしているので、彼らの進路を考えると、非常によい経験を積めているのではないでしょうか。日本にも同じような制度があれば、T-SPOTってどんな検査?とはならなかったかもしれません。
さて、もちろんこの制度にもいくつかの批判があります。メディカルスクールの場合最短でも4+4年の8年かかるところを、ギャップイヤーが入ることにより医師免許の取得がさらに遅くなります。外科手術等の手技習得については若いに越したことはないので、年齢を重ねさせる制度はどうかというものです。また、アメリカの大学、大学院の学費は極めて高額で年額600万円程度が標準的です。この出費を回収するために、多くの医学生が、収入のよい整形外科や、ライフワークバランスの取れる眼科、耳鼻科、皮膚科等を志望する傾向が生まれている要因になっているという批判です。個人的な考えですが、社交性のある人が有利になる(であろう)この制度は、患者対応という面からすると理にかなっているのかもしれませんが、実際にはアスペルガー症候群の人のように、社交性という意味では劣るかもしれないが、画像診断や病理診断などの分野では驚くべき才能を発揮する可能性がある人もいるわけです。このような人たちの可能性を排除してしまっている可能性はないのかなと思います。
勿論、勉学も大切です。GPAという学業スコアを高めないと出願すらできない企業もあります。しかし、アメリカがコネ社会であることは否定できない事実だと思います。学生が推薦状3通を要求されるとは驚きました。
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ピース綾部祐二さんNY初仕事 [留学記]
◇ピース綾部祐二さんNY初仕事
5/14セントラルパークでJapan Day @ Central Parkという催しがあり、大勢の人でにぎわいました。
日本のカルチャーや新幹線のテクノロジー紹介、空手や太鼓のステージショーが行われ、おにぎりや餃子、お好み焼き、お茶が無料でふるまわれていました。
セントラルパークの保全に$20寄付してTシャツを頂きました。
渡米したピース綾部佑二さんが渡米後の初仕事をステージでされました。
動画はこちら→
ダウンロードは🎥こちら
天気も良く、大勢のニューヨーカーで賑わっていました。食品の列には長蛇の列ができました。
綾部さんは最後に、日本往復航空券があたる抽選の引き役をされていました。
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ニューヨークラーメン紀行3 [ラーメン]
◇ニューヨークラーメン紀行3 山頭火
少し前に行った、ニュージャージーMitsuwa Market内のラーメン山頭火のレポートです。
イクラ丼と塩ラーメンのセットをたのみました。$13くらい。ラーメン単品だと$10ドルです。
鶏ガラベース(かな?)に野菜等で甘みを加えたマイルドな塩ラーメンです。やや太めのモチモチした麺も食べごたえありました。キクラゲもうれしいですね。イラク丼もおいしかったです。
NJは少し物価が安いのと、フードコートなのでチップも不要でしたので、これまでのラーメン店よりは安く食べられました。
総評:味★★☆ 価格★★★ 雰囲気・サービスN/A
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アメリカンエキスプレスカード申し込み [クレジットカード]
◇アメリカンエキスプレスカード申し込み
前回、アメリカでクレジットカードを申し込みむにはクレジットヒストリーがある程度構築されていないと申し込めないこと、クレジットヒストリーがない状態でクレジットカードを作るには、JALとANAのUSA CARDを作るか、AMERICAN EXPRESSに申し込むかの方法が可能とお伝えしました。
日本のアメリカンエキスプレスカードは渡米後にアメリカ発行のカードに切り替えることができるという話があります。
この情報は、比較的多くのサイトに掲載されていますが、その多くは5年ほど前の話であることが多く、最近切り替えに成功したという情報は少ないように思います。
今回は、アメリカンエキスプレスカードに申し込んでみたので、その顛末を書こうと思います。
私のアメリカンエキスプレスカードヒストリーですが、
ゴールド3年⇒プラチナ2年⇒グリーン4年
です。
プラチナをやめたのは、年会費が10万円から13万円に爆上げされたのと、キャセイパシフィック航空の上級会員資格が付与されなくなったためです。年会費増に伴い新設されたホテル無料宿泊券1泊分という特典も使ってみたのですが、除外日が多すぎて使い勝手がよくありませんでした。
プラチナの愚痴はさておき、アメリカで切り替えるにはアメリカンエキスプレスのオリジナルカードでなくてはなりません。(セゾンなどとコラボレーションしているものはダメです。)
アメックスグリーンを片手にアメリカのアメリカンエキスプレスカードに電話します。
日本でグリーンを使用しているので、アメリカンエキスプレスを発行してもらいたいと話しをします。すると、担当者から、
「我々は、各国のアメリカンエキスプレスの顧客情報を参考にすることができます。」
と、確かにお言葉を頂きました。
どんなカードを申し込みたいかという話に移り、Premiere Rewards Gold Cardを申し込むことにしました。別のサイトでこのカードがお得であると紹介されていたためです。
年収と資産の話をします。
ここから、電話でいろんな特典の話やTerms & Conditionsを長々と拝聴し、申し込みが完了しました。以降はオンラインでApplication Statusが確認できるようになりました。
数日はReview in Progressの状態で、音沙汰なかったので、一発rejectではなかったようです。その後ある書類をオンラインで送付することになりまして、送付します。
それからしばらく、in Progress状態でしたが、最終的には以下の書類が送られてきました。
結局rejectでした。年収がGoldの基準に足りないのと、クレジットヒストリーがないことが理由に挙げられています。
最近、基準が厳しくなったのか、私がグリーンだったから駄目だったのか、このあたりはわかりません。
少なくとも、日本でAMEX Originalを使っている方は、審査にあたり日本でのカード情報を考慮してくれることだけはっきりしました。
追記:AMEX global transferのウェブサイトを発見しました。SSNなしでAMEXを申し込むにはここから申し込みましょう。
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