アメリカの健康保険料 [留学記]
◇アメリカの健康保険料
今回は、アメリカの健康保険料についてです。
留学など海外の長期滞在において、もっとも懸念すべき臨時支出は医療費です。日本の医療制度は医療費が圧倒的に安く、フリーアクセス制など医療サービスも便利な設計がされています。日本の感覚でいると、諸外国、特にアメリカでは、医療は保険会社に連絡してからでないと受診に制限があったり、医療費が高額にであったり、驚くことになります。
アメリカは医療先進国ですが、アメリカのGDPのうち17%ほどを医療費が占めていることでもわかるように、アメリカの医療は基本的に高く、加入している健康保険の内容によって、保険が効く診療と効かない診療があったりします。(日本の医療費/GDPは約11%。世界で最も高齢化が進んでいるのに医療費が抑えられている(抑制されすぎている)。)
私の場合は職場が提供する保険(月額)に無料で入れてもらっていますが、保険でカバーされる疾患範囲が広かったり、自己負担の上限金額が安い保険(いい保険)は有料になります。逆に、保険金額が安い代わりに給付が制限されているプランもあります。このプランを選ぶとHealthcare savings account (HSA)という口座が開設され、企業によってはこの口座に現金が支給されることがあります。企業としては、安い保険を選んでくれた代わりに、それで浮いたお金を還元してくれるというわけです。また、(私の加入している保険会社のプランでは)喫煙者は月額$250を追加で支払わなくてはなりません。リスクある人には保険料を高くするという仕組みです。
多くのアメリカ在住者は、単身なら月々$500、家族なら人数にもよるが$1,500くらい健康保険に支払っていることが多いようです。私の場合がそうであるように、企業によっては健康保険料を負担してくれるところも多いようです。
日本とアメリカの健康保険料を比べてみました。
日本 | アメリカ | |
単身
(年収400万円)
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国民健康保険の場合
平均3万円
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平均$500
(プランの内容次第、所得関係なし)
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家族
(扶養家族3人、
年収400万円)
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国民健康保険の場合
平均3万5千円
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平均$1,500
(プランの内容次第、所得関係なし)
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高齢者夫妻
(年金収入250万円)
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国民健康保険
約1万円
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メディケア
$268~
(プラン次第)
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日本の健康保険料も大概高いですが、アメリカはそれ以上です。日本の場合は収入に応じて保険料が上がりますが、アメリカでは公的保険を除き、収入によらず保険料は一律です。私の留学先でも、役職関係なく保険料はいくらですと書いてあります。金持ち優遇?むしろ平等?
私の健康保険の補償内容です。提携医療機関の場合を列挙します。用語の説明はこちら
家庭医co-pay: $30
専門医co-pay: $50
予防医療co-pay: $0
Deductible: 個人$350/家族$875
Out-of-pocket limit: 個人$1,500/家族$3,000
Co-insurance: 5%
Co-pay:窓口料金 Deductible:年間自己負担額(免責額) Out-of-pocket limit:最大自己負担額 Co-insurance: 自己負担割合
私の保険はDeductible、Co-insuranceやOut-of-pocket limitが低く、皆からは良い保険と言われていますが、パンフレットの最後のほうに気になる記述が・・・
2型糖尿病の場合、ほとんどカバーしてくれないようです。困ったことに、どんな疾患がどんな補償内容になるのかはどこにも記載されていません。しかも、他の会社で同じプランを採用しているところのパンフレットを見ると、2型糖尿病でも十分カバーしてくれる内容になっているところもあります。(ただ、そういうところはDeductibleとOut-of-pocket limitが私のプランより高くなっています。)
会社ごとに、どの補償内容を強化して、どの補償を削るかということを保険会社と協議して補償内容を決定しているものと思われます。
複雑怪奇です。
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