◇アメリカのクレジットカード還元率が高い理由の考察
アメリカのクレジットカードは①高い入会ボーナス、②高い還元率、③外国為替手数料無料、④安い年会費等の点において、日本のクレジットカードより優れています。
私の保有するクレジットカード一覧
1. JAL USA Card
2. TD Cash Back Card
3. HSBC Advance Card
最近、Hilton Aspireを申し込んで無事承認されました。(現在、期間限定で入会ボーナスが150,000ポイントに増えています。)Hyatt CardとHilton Aspireのメリットについては別の機会に書きたいと思います。
さて、先に述べたように、アメリカのクレジットカードは入会するだけで、$100以上、プレミアクラスのカードであれば$500以上の入会ボーナスが得られ、還元率は最低でも1%、中には5%の還元率が得られるカードもあります。年会費もAmexプラチナのそれが日本で13万円に対し、アメリカでは$550です。なぜここまで気前がいいのでしょうか?なぜこれでもビジネスが成り立つのでしょうか?
クレジットカード決済手数料は日本の方が高い
クレジットカードビジネスの収益構造は大きく分けて3つです。①年会費収入、②加盟店手数料収入、③利用者利息収入です。
日本において加盟店手数料は発行会社の利益に対して大きな比率を占めており、約30%です。一方アメリカにおいては半分の15%です(1)。日本では加盟店が支払う手数料は3-7%程度と比較的高率です(2)が、アメリカでは1.5-3.5%ですみます(3)。日本でクレジットカード決済が進まない理由として政府は加盟店手数料が高いからと考えており、手数料率を引き下げるよう「要請」しています(2)。
アメリカのクレジットカード発行会社収益構造とカード社会アメリカの現実
アメリカのクレジットカード会社の収益構造を見ると、約75%を利息収入+遅延損害金が占めています。(日本では約60%。)
これはアメリカのクレジットカード支払い方法が日本とかなり違うからです。
日本ではクレジットカード支払時に支払い回数を聞かれ、毎月、使用額全額が引き落とされます。リボルビング払い等を利用する場合は別に手続きが必要なことが多いです。
アメリカでは何回払いか聞かれることは絶対にありません。クレジットカードの支払は利用者がコントロールする仕組みです。最低支払額($30程度)が決められており、これを毎月支払えばクレジットカードを利用し続けることができます。残額はすべてリボルビングになります。月一回請求書が発行され、これを期日(おおよそ25日後)までに全額支払えば無利子、払えない分は期日翌日から年率20%以上の利子を払わなくてはなりません。もちろん最低支払額すら払わなかった場合はクレジットスコアが大きく下がります。(これは日本でも同じです。)
そしてアメリカ人の多くはリボルビング払いを利用しています。1人$5,500以上の残高を抱え、40%程度の人がリボルビング払いを利用しています(4)。一方日本でリボルビング払いをしている人は、データが少し古いですが10%程度です(1)。
アメリカのクレジットカードリボルビング利用額は2018年に1兆ドルを超えました。額にして100兆円以上です(4)。他方日本はリボルビング、分割、ボーナス払い等で約11兆円程度です(5)。利子率もアメリカの方が高いので、カード利用者に対し大盤振る舞いをしても問題ないわけです。
平均的なアメリカ人は残額$5,500でに対して年率20%の利子を支払っているので、年に$1,000以上の利子を支払っていることになります。日本人の私からすると理解不可能なのですが、当人たちは気にならないのでしょうか?
アメリカ人の平均クレジットスコアは650-690程度です。なぜなのか気になっていたのですが、このブログの内容を調べていてはっきりしました。おそらく、クレジット上限の10-20%というルールを守れていない人が多いからでしょう。$5,500が20%以内に収まるためには$27,500以上のクレジット上限が必要になります。一般的なアメリカ人には無理な額です。(クレジットスコアを高く保つためのルールについてはこちら。)
アメリカのクレジットカードの甘い蜜を隅々まで味わいましょう
アメリカ人がクレジットカードで借金してくれているので、発行会社は多くのメリットを付与することができます。日本人は金銭管理がしっかりしているので、クレジットカード借金地獄に陥る人は少ないと思われます。日本人としてはアメリカのクレジットカードのメリットを最大限享受しましょう。
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