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テニスUSオープン決勝でのセリーナの行為について [留学記]

◇テニスUSオープン決勝でのセリーナの行為について







USオープンで、大坂なおみ選手が見事優勝を飾りました。おめでとうございます!


さて、今回のUSオープン決勝ではセリーナウイリアムス選手の行為が問題になっています。


どういう行為だったかというと、


①試合中にコーチからジェスチャーでコーチングを受けた疑いをもたれ、審判から警告される。

②ラケットを破壊し、2回目の警告を受ける。相手に1ポイントが与えられる。

③審判に暴言を言い、3回目の警告を受ける。相手に1ゲームが与えられる。


という経過でした。セリーナ選手に肩入れした観客が審判にブーイングを浴びせ(決して大坂選手に対してではないと願いたい)、この異様な雰囲気が表彰式まで続きました。


①のコーチングについては、セリーナのコーチがコーチングしたと自白しており、審判の判断は正しかったわけです。(セリーナ選手はコーチングを受けていない、コーチは見ていなかったと白を切り続きています。)


こともあろうに、セリーナ選手は男女差別を持ち出し、「男子であれば暴言とは取られなかったはずだ、テニスには依然男女差別が残っている。私は引き続きこの差別と戦っていく。」と斜め上の発言をしています。


しかも、多くのテニス関係者がこの発言を支持。当日のニュースでも、大坂選手の優勝、テニスの内容より、なぜセリーナ選手が警告を受けたのか、本当にそれに値したのかということにフォーカスされていました。全米テニス協会の幹部ですらセリーナ選手を擁護する始末。なぜこれほど多くのアメリカ人がセリーナ選手に肩入れするのでしょう。


プロテニス界を見渡すと、ランキング上位の選手はほとんどヨーロッパ系かラテン系です。アジア系やアフリカ系はごくわずか。なぜかというと、一般的に言われているのが、「テニスは身長が高いに越したことがない」点と、「競技にお金がかかる」ためです。ゴルフに通ずるところがありますが、道具が高額でかつ整備されたコートがないと競技できないのです。必然的に競技人口には高所得者が中心になります。


ここに風穴を開けたのがヴィーナス・ウイリアムス、セリーナ・ウイリアムス姉妹でした。アフリカ系のパワーで200kmを超えるサーブを放ち、女子テニスを変えました。当然、この過程で人種差別等の様々な逆風に耐えてきたと想像されます。アメリカ人、特にアフリカ系はこの過程をよく知っているからこそ、彼らの中での絶対的なヒーローなのです。


アメリカは不思議な国で、誤解を恐れずに言えば、「被差別群認定者」がかなり得をする仕組みになっています。アメリカの大学には「Affirmative Action」という制度があり、少数派を優遇する措置が取られています。同じく少数派であるはずのアジア人は優遇されません。「少数派」「被差別者」として社会に認知される必要があるのです。黒人に変装したら優秀な大学に合格できたという話もあります。ニューヨークのPre-Kの申込書類にも、「あなたはラテン系ですか?」という質問があり、「いいえ」と答えると、次に「黒人・アジア人・native american・白人」等と続きます。(これがどういう意図なのかはいまだに不明ですが、ラテン系だと何らかの措置があるのでしょう。)


いずれにせよ、「セリーナ選手を批判するなどとんでもない」という空気がアメリカ社会にあるように思います。セリーナ選手もそれを分かっていて、強気を続けているのでしょう。


競技テニスをしてきた私からすると、セリーナ選手の行為は間違いなく罰則に値しますし、審判の判断は間違っていません。


コーチングは審判の主観的判断になりますが、サッカーでいうと「少し危険なプレーにイエローカードを出すか出さないか」というレベルなので、これがテニスというスポーツと割り切る他ありません(後にコーチ自身が認めているのでクロだったのですが)。ラケットの破壊行為は確実に警告が出されます。ですので、セリーナが「ポイントを奪った」と審判に文句していましたが、「ラケットを壊さなければポイントにならなかった」ので、確実にセリーナの自業自得です。さらに、審判に暴言を言っていましたが、かなり長い時間抗議していました。相手からするとたまったものではありません。


テニスというスポーツはポイントの7割を自らのミスで失うスポーツなので、パフォーマンスは個人の精神状態に非常に大きく左右されます。選手は集中力を高めるために、ゲームとゲームの間にどういうことをするか、何回水を飲むか、何回タオルを使うか決めています。サーブを打つ前も、何回ボールをバウンドさせるか、足をどう動かしてからサーブを打つか決めています。リズムが崩れるのを極端に恐れるのです。


劣勢の選手は相手のリズムを狂わせるためにいろいろなことをします。例えばトイレに行きたくもないのにトイレタイムを取ります。痛がる素振りをしてメディカルタイムアウトを取る場合もあります。セリーナ選手の抗議はゲーム間を故意に引き伸ばしているだけで警告に値します。しかも、「泥棒」「嘘つき」「謝罪しろ」と。それだけで4回目の警告で退場を言い渡されてもおかしくありませんでした。(セリーナのホームだから審判もそうできなかったのでしょう。)


動じず勝ち切った大坂選手は素晴らしいですが、セリーナ選手の行動は誰かが正さなくてはなりません。男女差別とかいう問題ではないのです。どんなスポーツでもそうですが、審判が絶対です。審判に歯向かってはスポーツが成り立ちません。セリーナ選手は今後セルフジャッジで大会に出たらいいと思います。


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