Rent controlとRent stabilization [不動産]
◇Rent controlとRent stabilization
NYは世界から多くの人が集まってくるため、賃貸市場は常に上昇を続けており、世界で指折りの高賃料都市になっています。スタジオタイプで$1500~$2000、1ベッドルームで$3000以上、2ベッドルームで$4000以上が相場です。しかも毎年賃料が上がります。
そうなってくると、年金生活者などは住むところがなく、都市から出ていくのかと思いきや、意外と多くの老人がNYに住んでいます。どのように生活しているのでしょうか?
そのカラクリがRent controlとRent stabilizationという、不動産に関する決まりです。
Rent controlとは1947年以前に建てられたアパートに1971年以降住み続けている住人に適用される決まりで、賃借人の賃料上昇が法律で規制されます。2014年の調査ではRent controlの適応される部屋の賃料中間値は$1,020です。但し、Rent controlは1971年以前からNYに住んでいる人、あるいは親族が住んでいて、その権利を引き継いだ人にしか適用されないので、いまからNYに来る人にはこの規定は適用されません。
一方で、新たに入居する人も対象となる制度が、Rent stabilizationという制度です。これは、賃料の値上げ幅を行政が管理する制度で、NYの約半数の物件がRent stabilizationの対象になるといわれています。
対象となるのは以下の物件です。
①1974年以前に建築された、6部屋以上の賃貸用区画を有する建物
②賃料(legal or stabilized rent(現在の賃料なのか、別に定まっているのか不明))$2,700以下
③賃借人の年収$200,000以下
などです。
しかしながら、Rent stabilizationというのは抜け道が多くあるようです。例えば、
①一度でも賃料が閾値(2018年は$2,700/月)を超えるとRent stabilizationの対象から外れる。
②Stabilized rentはリフォームや空室期間に応じて上げることができる。
といった制度になっています。
そして、非常に残念なことに、多くの大家はstabilized rentで貸し出すよりも市場価格で貸し出した方が儲けが大きくなるので、Rent stabilizationに該当することを伝えずに貸し出します。ですので、Street Easyなどをみても、Rent stabilized apartmentを発見することは困難です。
この辺りは、政治のパワーバランスで、大家(NYにビルを保有しているので大変な資産家です。)の方が政治的発言力が強いので、この制度を管理するNY Department of Homes and Community Renewal (DHCR)が賃借人に有利な判断をすることが少ないといわれています。(普通であれば、Rent stabilizationの対象となるのに、普通の賃料で貸し出せば行政罰の対象となるような気がしますが・・・。)
検討しているアパートがRent stabilizationの対象となるかは"Am I Rent Stabilized?"のサイトを利用してください。DHCRからアパートの入居期間と賃料のデータをもらうことができます。私のアパートもRent stabilizationの対象となっている可能性があり、3,4年前に入居していた人は$600/月程度で借りていました。(アッパーイーストサイドの1 bedroomです。)
この制度ですが、貸主と借主の双方が合意しないと適用されないので、今家探しをしている人はまずはきっぱりと伝えることがスタートです。(もちろん大家さんに拒否される可能性はありますので、すぐにでも入居したい方にはお勧めしません。)
私はLeaseを更新してしまったので、次の更新時に伝えてみようと思います。
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